源氏物語 

紫式部によって書かれた世界最古(1008年頃)の長編小説。ラブ・ストーリー。人生への深い洞察が込められている。

著者
出版年・タイトル
 

与謝野 晶子

1912年~

新訳 源氏物語

簡素で読みやすい。情熱的。

谷崎 潤一郎

1970年~

潤一郎訳源氏物語

原文に忠実。
円地 文子

1972年~

源氏物語

6年に及ぶ執筆。創作的な加筆はあるが、面白い。

田辺 聖子

1984年

新源氏物語

アレンジされているが、現代小説のようで読みやすい。

日本古典文学会

1988年

絵本 源氏物語

帖ごとに絵になっていて、物語の説明が付いている。とても分かりやすい。巻末に登場人物の系図と年譜付き。

中野 幸一

丸谷 才一

1990年

新潮古典文学アルバム 

源氏物語 

写真や絵がふんだんに使われていて、源氏物語の世界が広がる一冊。

橋本 治 1995年

窯変 源氏物語

光源氏の一人称で書かれている。宇治十帖では紫式部の一人称。とても面白い。
大塚 ひかり 1996年

カラダで感じる源氏物語

解釈がとても面白い。
瀬戸内 寂聴

1996年~

源氏物語

原文に忠実。美しくて細やかな文章。とても読みやすい。巻末に解説や系図、語句解釈付き。

1998年

寂聴対談集 わかれば『源氏』はおもしろい

とても楽しい一冊。源氏物語の面白さを再確認できる。

2004年

痛快!寂聴源氏塾

寂聴さんの解釈や推測はとても面白い。源氏物語を知っている人向き。
山口 仲美

1997年

『源氏物語』を楽しむ

光源氏と女たちの駆け引きを「会話」から明らかにした本。とても読みやすい。
早坂 暁

2001年

恐ろしや源氏物語

著者は源氏物語を題材とした映画「千年の恋」の脚本家。千年の恋のシナリオも収録。源氏物語の時代的背景や紫式部の意図についてわかりやすく解釈している。紫式部を好きにしてくれた本。
角川書店編

2001年

ビギナーズ・クラシックス 日本の古典  源氏物語

わかりやすくて入門書におすすめ。コラムなどもあり楽しく読める。
小泉 𠮷宏

2002年

大掴源氏物語 まろ、ん?

一帖を見開き2ページ8コマの漫画でまとめられている。キャラクターや絵が可愛い♡
馬場 あき子

2004年

掌編 源氏物語

全54帖を気品ある文章でまとめている。日本画家54名の美しい挿絵と絵の説明が各帖に書かれているのが嬉しい。
岩佐 美代子 2005年

千年の名文すらすら源氏物語

名場面を抜き出し、原文、現代語訳、鑑賞の目(解説)で構成されている。紫式部の意図にまで踏み込んだ解説が面白い。おのでらえいこさんの挿絵も美しい。

吉海 直人

2011年

やっぱり面白かった『源氏物語』

マイナーな登場人物も丁寧に紹介してくれている。イラストも美しい♡
阿刀田 高

2013年

源氏物語を知っていますか

ダイジェスト版。全体のあらすじを把握したい人向き。

 

 第一部 光源氏誕生から栄華まで。華やかな前半生。

源氏
 

 

桐壺

 

12歳

<桐壺の更衣>源氏を出産。周囲の陰湿ないじめによる心労で死去。

<源氏>元服(男子の成人式)に葵の上と政略結婚。

<葵の上>16歳。源氏の正妻。父は左大臣。母は后の妹。令嬢。美しい姫君。歌詠まぬ姫君。自尊心が強い。

☆女性は12歳から20歳の間に結婚するのが普通のケース

帚木 ははきぎ

17歳

・雨夜の品定め(男性たちの女性論)

<源氏>空蝉 うつせみ(25歳・人妻)と契る。

空蝉

17歳

<源氏>空蝉の寝床に忍び込み、間違えて軒端の萩と契る。

夕顔

17歳

<夕顔>19歳。頭の中将(源氏の友人)の元愛人(3歳の女の子あり)。夕顔から歌を贈る。 源氏が顔を見せて「私の顔はどうですか?」と聞くと、「たいしたことありませんでした」と答える。六条御息所 ろくじょうのみやすどころ(24歳。源氏の愛人。元皇太子妃。優雅で聡明。自尊心が強い)の生霊にとりつかれ急死。

若紫

18歳

<若紫>10歳。藤壺の姪。源氏に引き取られる。

<藤壺>23歳。桐壺帝(源氏の父)の后。2度目の逢瀬で源氏の子(冷泉帝)を身ごもる。

末摘花

18~

19歳

<末摘花> すえつむはな源氏と契る。琴を友とする常陸宮の姫君。見事な黒髪だが、鼻が高くて大きくて鼻先が赤い。長い顔。

紅葉賀 もみじのが

18~

19歳

 <藤壺>源氏の子(冷泉帝) れいぜいていを出産。 

源典侍 げんのないしのすけ(57.8歳)老女房。無類の男好き。

花宴

20歳

<源氏>桜の宴の夜、朧月夜(17歳。右大臣の娘。源氏の兄の朱雀帝と婚約中)と契る。

20~

23歳

<葵の上>結婚10年目に、ようやく心が通い合い、夕霧を出産したが、六条御息所の生霊にとりつかれ死去。

賢木 さかき

23~

25歳

<六条御息所> 斎宮になった娘とともに伊勢に下る。

<藤壺>桐壺院崩御。冷泉帝4歳。源氏と5年ぶりに再会。出家。

花散里

25歳

<源氏>故桐壺院の女御(麗景殿)の屋敷を久しぶりに訪問。女御の妹花散里 はなちるさとと会う。かつて逢瀬あり。源氏が心休まる女性。

須磨

26~

27歳

<源氏>朧月夜との密会が発見され、須磨へ退去。

明石

27~

28歳

<源氏>明石と契る。帰京。

澪標 みおつくし

28~

29歳

冷泉帝即位。<源氏>内大臣。

明石の姫君誕生。六条御息所死去。

蓬生 よもぎう

28~

29歳

 <末摘花>源氏を待ち続ける。(誠実な女性)

<源氏>末摘花を訪れる。 

☆光源氏は、一度その気になったら最後まで相手を捨てるようなことはしない人。

関屋

29歳

<空蝉>源氏逢坂の関で源氏に偶然再会。夫と死別。出家。(賢明でつつましい女性)

絵合 えあわせ

31歳

<前斎宮>22歳。六条御息所の娘。冷泉帝(13歳)に入内。秋好中宮と呼ばれている。

松風

31歳

二条東院落成。花散里を住まわせる。

明石の君、姫君上京。

薄雲

31~

32歳

明石の姫君紫の上の養女になる。

藤壺死去(三十七の厄年)。六条院に引き取られる。右大将「髭黒」と結婚。

朝顔

32歳

<源氏>朝顔の姫君を訪れるが拒否される。

<紫の上>不安になる。

少女 おとめ

33~

35歳

<源氏>夕霧を大学に入学させる。

夕霧と雲居の雁の純粋な恋。

玉蔓

34歳

玉蔓 たまかずら20歳。夕顔と頭の中将の子。太夫監の求婚を避けて筑紫から上京。六条院に引き取られる。

初音

36歳

六条院の正月。

胡蝶

36歳

<玉蔓>社交界デビュー。ラブレター相次ぐ。

<源氏>玉蔓に迫る。

36歳

<源氏> 五月雨の夜、兵部卿の宮(源氏の弟)が訪れる。玉蔓の前に蛍を放つ。映し出された玉蔓に魅せられる。

常夏

36歳

 近江の君(内大臣・頭の中将の娘)の悪評。

篝火 かがりび

36歳  <源氏>玉蔓と添い寝。

野分 のわき

36歳

野分(秋の風)夕霧が紫の上を見て、心奪われる。

行幸 みゆき

36~

37歳

<源氏>内大臣(頭の中将・玉蔓の実父)と久しぶりに対面。二人とも②雨夜の品定めを思い出す。

藤袴 ふじばかま

37歳

玉蔓に相次ぐ求婚。

真木柱 まきばしら

37~

38歳

<玉蔓>右大将「髭黒」と結婚。男児出産。

梅枝 うめがえ

 

39歳

六条院で薫物合。

明石の姫君の装着。

東宮(今上帝)が元服。

藤裏葉 ふじのうらば

39歳

夕霧と雲居の雁、6年ぶりに再会。結婚。

明石の姫君の入内。

  

 第二部 光源氏の孤独で寂しい晩年。

源氏
 

若菜上

40歳

<女三の宮>13歳。藤壺の姪。朱雀院の三女。内親王。源氏に輿入れ。

<紫の上>不安な気持ちになる。「目に近く移れば変はる世の中を行く末遠く頼みけるかな」

若菜下

46~47歳

<女三の宮>源氏が紫の上を看病の間、柏木と密通し、妊娠。

柏木

48歳

<女三の宮>柏木との子(薫)を出産。出家。

柏木死去。

横笛

49歳

柏木の一周忌

<夕霧>落葉の宮(親友柏木の未亡人)に恋心。落葉の宮の母御息所に柏木遺愛の横笛を贈られる。夢で柏木の亡霊に会う。柏木は横笛を自分の子に伝えたいと言う。

鈴虫

50歳

<女三の宮>仏事を営む。

十五夜の夕暮れ、女三の宮方で鈴虫の宴

夕霧

50歳

 <夕霧>落葉の宮と結婚。妻の雲居の雁は子どもたちを連れて実家に帰る。

御法 みのり

51歳

紫の上死去(43歳)。出家を懇願していたが叶えられなかった。

☆光源氏に最も愛された女性だったが、最も苦しんだ女性でもある。

52歳

<源氏>出家の決意を固める。

雲隠

 

 

  

第三部 ㊶幻から8年経過。光源氏死後、薫と匂宮の物語。

匂宮
 

匂宮 におうみや

14~20歳

表向きは源氏の子。本当は女三の宮と柏木の子。源氏の実子なのか不審を抱いている。

生まれつき体から芳香を放つ特異体質。

15歳~21歳

今上帝と明石の中宮の子で源氏の孫。

明るくて社交的。情熱的。プレイボーイ。人工の芳香を漂わせている。

 

紅梅 こうばい

24歳

25歳

 

竹河

14~23歳

15歳~24歳

 

橋姫

20~22歳

・宇治の八の宮(故桐壺院の八男、仏道に励んでいる)を初めて訪れる。

・八の宮の姫君たち(大君・中の君)を垣間見る。

・大君に歌を詠んで贈る。

・柏木の子であることを知る。

21歳~23歳

 

椎本 しいがもと

23~24歳

24歳~25歳

宇治を訪問。中の君と文通が始まる

 

総角 あげまき

24歳

・大君に求婚するが断られる

・大君死去

25歳

中の君と契る。

 

早蕨 さわらび

25歳

匂宮のもとに中の君を訪ねる

26歳

中の君を都に移す

 

宿木 やどりぎ

24~26歳

中の君を度々訪ねる

大君にそっくりな浮舟(八の宮と中将の君の娘)に心奪われる。

25~27歳

夕霧の娘婿になる

中の君、男児出産。

 

東屋

26歳

三条の隠家で浮舟と一夜を共にする

浮舟を宇治に移す

27歳

浮舟を見かけて言い寄る

 

51

浮舟

27歳

浮舟の裏切りを知る

 

28歳

浮舟と契る

 

<浮舟>死を決意 

52

蜻蛉

27歳

28歳

<浮舟>失踪

53

手習

27~28歳

28~29歳

<浮舟>横川の僧都に助けられる。出家。

54

夢浮橋

28歳

浮舟の生存を確認。浮舟に小君を派遣するが断られる。